開発から商用生産まで
一貫した生産体制
テルモのコンビネーションプロダクト製造における基本概念は、
繊細なタンパク製剤/バイオ医薬品に優しい、デバイスと工程の設計です。
具体的には、溶出物や微粒子の抑制が期待される素材の選択や、
調製・充填から組立までの一貫した無菌製造ラインによる人的介入の削減を通じ、最終製品の品質を担保します。
コンビネーション製品の仕様と製造法を検討します。
テルモがもつ様々な技術を用いて細部まで工夫を凝らし、患者さんにとってより安全で使いやすい製品を創っていきます。
コンビネーションプロダクトの製造では、まず自社工場内で容器成形を行います。容器に適した製造技術を用いて成形しますが、例えば針付きシリンジでは、接着剤を使用しない製造法を確立し、凝集体や溶出物の低減を実現するなど、薬剤を守るための様々な工夫をしています。
容器成形後は、次工程の充填に向けて容器を滅菌しますが、従来の製造プロセスでは容器の滅菌工程で新たに溶出物・酸化物(ラジカル)が発生するリスクがありました。そこで、高温蒸気圧(オートクレーブ)滅菌を採用し、このリスクを最小限に抑制しました。さらに、プラスチック素材が本来持つ高い透明性を滅菌後も維持することに寄与しました。
シンプルなプレフィルドシリンジだけではなく、注射剤と特殊な投与デバイスを組み合わせたコンビネーション製品も設計開発可能です。一例として、針刺し事故防止や自己注射支援を目的とする製品など、製剤の用途に合わせてデバイスを選択できるため、製剤の付加価値を高めることができます。
包装についても製剤用途に合わせた設計をご提案します。
治験薬GMPの体制を整備しています。
薬事申請を含めた受託製造の多様なニーズに対応するとともに、実生産までの開発期間を短縮することができます。
コンビネーション製品に関する薬事申請経験が豊富なため、国内外問わず申請時の手厚いサポートが可能です。また、製品のグローバル展開を視野に入れた開発や品質システムの構築を実施しています。PMDAや、またFDA、EMAなどの海外の規制当局によるGMP適合の認定を取得。製品の上市先を国内外問わず選択できます。
上市後流通に向け、量産体制をスムーズに立ち上げるとともに、物流システムの確立など、安定供給のための様々なサポートをいたします。
技術開発を担う研究開発センターと国内4拠点の工場が、ファーマシューティカルソリューション事業のものづくりの中核です。研究開発センターでは、世界中から集めた技術シーズを発展・融合させながら、次世代技術の開発を行っています。各工場では、医薬品容器の設計・生産、無菌充填、滅菌など、最先端技術でDrug&Deviceの開発および製造を行っています。
※拠点を押下いただくと詳細情報が表示されます
※拠点名のみを記載しています
可動式ルアーロックアダプターという機構を指します。
プラスチックの高い加工性を活かし、シリンジ先端のロック部がスライドするような設計をしています。
独自の金型によるプレス加工技術を駆使し、針の内径も外径も先端に向かって細くなるダブルテーパー構造を実現しています。
電子線減菌などの一般的な減菌法は、注射器内にラジカル(不対電子を持つ原子、分子、イオン)が発生することがあり、これがバイオ医薬品の酸化や凝集の一因とされています。テルモでは、プラスチック容器を変質させずに高温高圧のオートクレーブ滅菌をかけることができる、高度な技術を有しています。
テルモでは、容器成形から充填、密封、包装までを一貫ラインで行います。
オートクレーブ滅菌をかけられないバイオ医薬品については、アイソレーターを用いた無菌エリア内での充填、密封を行うことができます。また、充填方式は複数の方法から選択でき、薬液の特性に合わせた製品開発を実現します。
シリコーンオイル由来のタンパク質の酸化・凝集リスクを抑制し、滑らかな摺動性を実現するテルモの独自技術です。
注射剤のCDMOビジネスを担っており、お客様個々のニーズに合わせ、医薬品の開発・製造を全面的にサポートします。2018年には米国食品医薬品局(FDA)からプレミックス製剤の製造に関しGMP適合認定も取得しました。
医薬品の製剤開発から治験薬製造、量産化検討、商用生産までを一貫して行い、お客様の医薬品をいち早く医療現場へ提供します。
自動一貫生産をコンセプトに注射器、輸液セット、インスリン注射用針など医療機器を安定的に、効率よく医療現場や患者様に届けています。また、医療機器開発で得た知見を活かし、皮内投与デバイスをつくり出しました。今後も、お客様のニーズに応えた新しい価値となる医療器製品を提供していきます。
コア技術の応用から新しい領域開発まで、次世代技術の開発研究を行っています。
プレフィルドシリンジや薬液充填用シリンジの開発・製造を担っています。テルモで最も歴史のある工場で、医療機器と医薬品を融合させた様々な製品を生産しています。今後も新ライン・最新設備を導入し、製品ラインナップを拡充していきます。
主にプレフィルドシリンジ製剤の受託製造を行っています。2018年に欧州医薬品庁(EMA)から、2020年には米国食品医薬品局(FDA)からプレフィルドシリンジ製剤の製造に関してGMP適合認定を取得しました。
現在生産設備増築も急ピッチで進めており、今後も発展し続けます。
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